慢性骨髄性白血病の治療費と高額医療費
以前、白血病の診断を受けたとき担当医より病気との闘いと同時にこの病気は経済的な闘いでもあると言われたと
書きました。
今回は治療費のリアルな話と健康保険の制度のお話しをしたいと思います。
とてもじゃないけど、健康保険の制度がないとよほどのお金持ちでないと治療は出来ませんので!
まあそれほど高額な治療費がかかるということです。
治療費の明細
私の場合、街の内科医ー大学病院でした。下記の金額は特に表記がない限り自己負担額です。
街の内科医・・・・診察、検査 2180円
大学病院・・・・・診察、検査 12290円
大学病院・・・・・骨髄穿刺 28080円
薬局・・・・・・・一般的な薬 3300円
入院時 6日間
大学病院・・・・・検査、投薬治療 150010円
(うち差額ベット33000円、空いてなかったので・・・)
薬局・・・・・・・タシグナ1週間分 20490円
その1週間後
大学病院・・・・・診察、検査 1520円
薬局・・・・・・・タシグナ2週間分 40690円
その4日後副作用の頭痛がひどくイレギュラーの通院
大学病院・・・・・診察、検査、投薬(ロキソニン) 5680円
その4日後
大学病院・・・・・診察、検査 420円
薬局・・・・・・・ロキソニン1週間分 430円
その1週間後
大学病院・・・・・診察、検査 11420円
薬局・・・・・・・薬変更→スプリセル(1週間分) 40290円
その1週間後
大学病院・・・・・診察、検査 2400円
薬局・・・・・・・スプリセル(2週間分) 80230円
その2週間後
大学病院・・・・・診察、検査 2120円
薬局・・・・・・・スプリセル(4週間分) 160040円!!
その後は月1回の診察、検査で
大学病院・・・・・1000円~8000円程度(検査内容によって変わります)
薬局・・・・・・・4週間分で160040円、5週間分で199520円、6週間分で239310円
以降は毎月これだけの費用が掛かります。
病院代はそうでもないのですが、やはり薬代が驚愕の金額です。
とてもじゃないけど払いきれません。
そこで、健康保険の高額医療制度
次ではこの制度について書きます。
高額医療制度
私の場合は協会けんぽなので、ほかの組合の方は所属の組合にお問い合わせください。
基本的にはそんなに変わらないと思います。
高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
協会けんぽのホームページより
さてここで自己負担限度額とはいくらなのでしょうか?
こちらは収入によって異なります。さらに医療費には病院と薬局での薬代も含まれます。
しかもこちらは扶養家族の分も含みますので、子供が風邪で病院にかかった費用も合算できます。
70歳未満の方の区分
平成27年1月診療分から
所得区分 自己負担限度額 多数該当 ①区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)
(報酬月額81万円以上の方)252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円 ②区分イ
(標準報酬月額53万~79万円の方)
(報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方)167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円 ③区分ウ
(標準報酬月額28万~50万円の方)
(報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円 ④区分エ
(標準報酬月額26万円以下の方)
(報酬月額27万円未満の方)57,600円 44,400円 ⑤区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)35,400円 24,600円 注)「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。
協会けんぽのホームページより
ここで標準報酬月額とは賃金、残業代、手当等労務の対価として受け取るものをすべて含みます。
ここには交通費や通勤手当も含まれます。ただし、年3回以下の賞与は含まれません。
細かい計算方法はあるのですが、大まかにいうと3か月間の平均値をもって標準報酬月額は決定します。
上記の表にある多数該当ですが、こちらは過去1年間(直近12か月間)に3月以上高額医療費として払い戻しを受けると
4月目からはこちらの金額まで自己負担限度額が下げられます。
私のように毎月高額医療費を払い戻していただいていると4か月目からはずっと自己負担限度額がこの多数該当の金額まで下げられるという素晴らしい制度です。
しかし、この高額医療費ですが払い戻されるのに申請から3か月程度かかります。
忘れたころに支給決定のハガキが届きます。(不支給時にもその理由と共に届きます)
それだとたまらないので事前に申請しておいて限度額適用認定証を入手しておけば医療機関での支払い時点で
自己負担限度額を上限として支払いが出来るため、協会けんぽに申請して後から払い戻しを受けるということがなくなります。
限度額適用認定証
申請書の書き方、申請用紙、こちらは下記の協会けんぽのホームページより入手できます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r121
こちらは比較的短期間で発行してくれます。私の場合は1週間程度でした。
実際の限度額適用認定証はこちらです。
こちらの適用区分によって自己負担限度額が変わります。年度の途中であっても給料が安くなり自己負担限度額が変更になる場合には申請しなおしましょう。ただし、低くなった給料が3か月続かないと申請できません。(標準報酬月額が3か月の平均をとるため)
実際の制度利用について
では実際、どのように手続きを進めるのがよいのでしょうか?
実体験を踏まえてお話しします。
まずは限度額適用認定証を申請して入手しましょう。
どのみち、この病気になれば上記のような高額な薬代がかかりますのでまずは限度額適用認定証を入手して
支払額を少しでも少なくしましょう。申請には診断書等は必要ありません。
協会けんぽの加入者なら誰でも申請し入手できます。
病気がわかった時点ですぐに申請しましょう!
限度額適用認定証が効果を発揮するのは限度額以上の医療費を支払う場合だけ
当たり前のことですが、限度額適用認定証の効果を発揮するのは支払いが自己負担限度額を超える場合だけです。
私の場合で言えば、薬局での薬の支払だけです。病院での支払は1万円以内なので認定証を提示しても支払額は変わりません。しかし、高額医療費は扶養家族の医療費も含めた1か月の医療費が対象ですので、病院の支払いや扶養家族の医療費等はやはり高額医療費として申請し払い戻しを受ける必要があります。
こちらも下記の協会けんぽのホームページより申請書、書き方を入手し毎月申請しましょう。
申請書 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g2/cat230/161226/k_kougaku_161226.pdf
記入例 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g2/cat230/161226/k_kougaku_guide_161226.pdf
ここで注意するのは申請には該当するすべての支払いを記入しましょう。
すなわち、限度額適用になった薬局への支払いも記入します。
以前は、該当する世帯のすべての支払いを調査してくれて漏れている場合は協会けんぽより連絡が来たのですが
現在は申請のある分しか審査されないので支払ったすべてを記入しましょう。
そうしないと、高額医療費の適用外とされてしまいます。
この病気は長い間薬を飲み続ける必要がありますので、毎月記入は面倒くさいため申請書のPDFファイルにあらかじめ医療機関名や毎月決まっている部分は記入済みで保存しており、それを毎月印刷してその他の部分だけ手書きで記入しています。
ついでに封筒も宛名印刷しておいてあるので、印刷して金額と日にちを記入し封筒にいれるだけで終わるようにしています。
支払先を同じにしましょう
こちらは多数該当を少しでも早く適用されるための方法です。
限度額適用認定証を使用して3月たつと4月目からは限度額が下がります。
当然ですが、医療機関でそれを把握するには同じ医療機関で3月高額医療を使わなくてはなりません。
例えば今月はA薬局、来月はB薬局などとしていると多数該当の適用がその分先送りになってしまいます。
病院は変わりませんが、薬局は病院前に複数あることが多いので注意しましょう。
また、薬局によっては多数該当を適用してくれない場合もありますので事前に確認するようにしましょう。
それと白血病に薬は非常に高価、なおかつ患者も少ないため薬を在庫している薬局も限られています。
薬はなるべく病院の近くで入手することをお勧めします。
ちなみに私は病院周辺に4~5か所程度調剤薬局がありますが、そのうち4週間分とかの在庫があるのは1か所だけです。
そこが混んでいるので薬局を変えようかと試しましたが、在庫がない上に多数該当の適用がされないので
(当たり前ですがそこの薬局の利用は初めてのため、まだ1回目ということになってしまう)
限度額を支払うことになるのであきらめました。
最後に
私の場合は生命保険の関係で毎月病院に行っていますが、通常は2か月に1度になります。
標準報酬月額の区分がウの場合、多数該当が44400円となりますので2か月に1度44400円かかることになります。
あとは高額医療費を申請し払い戻してもらいます。
ちなみに私はトレイルランの練習中に山で転倒、脇腹を強打し肋骨骨折しましたが病院代はしっかり高額医療費と申請し
払い戻していただきました。
それと白血病は現在の生命保険ではがんと同じ扱いなので一時金や死亡保険の一部を前受できます。
詳しくは生命保険の担当者に聞いてみてください。
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